2023年9月に発売されたiPhone15。手に入れている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はiPhone15の通信衛星機能について解説していきます。
通信衛星機能の使い方や魅力について執筆していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1:iPhone15が通信衛星機能で出来る2つのこと!
iPhone15の通信衛星機能。聞いたことはあるけど何ができるの?と思っている方もいますよね
そこで1章では通信衛星機能で出来る2つのことをご紹介します。
1-1:圏外で緊急SOSを発信できる
通信衛星機能は衛星通信を利用して緊急通報サービス(緊急SOS)※にテキストを発信したり位置情報を送信してくれます。
なんとこの衛星通信はWi-Fiが使えない場所や圏外でも利用することが可能なのです。
💡 ※ 緊急通報サービスとは「突然体の具合が悪くなった」「けがをした」「遭難した」などといったトラブル時に自動的に受信センターに通報され、救急隊員が駆けつけてくれるサービスです。
1-2:ロードサービスを呼べる
iPhone14以降全てのモデルのiPhoneで衛星通信を利用してロードサービス※を呼ぶことができます。
アメリカでは国内最大手のロードサービスプロバイダー「AAA(全米自動車協会)」と提携してサービスが提供されているのですが、AAAの会員だけでなくAAAの会員ではない方もサービスを利用することができます。
こちらも緊急通報サービス(緊急SOS)同様にWi-Fiが使えない場所や圏外でも利用することが可能です。
💡 ロードサービスとは「道の途中で燃料がなくなった」「パンクした」などといった自動車のトラブル時に支援を受けられるサービスです。
2:iPhone通信衛星の仕組みと使い方
続いて、通信衛星機能の仕組みと使い方について詳しく解説していきます。
2-1:仕組み
通信衛星機能の仕組みですが、衛星通信との接続を利用して、圏外などの電波が届かないときに緊急通報サービスにテキストメッセージを送ったり位置情報を共有することができるといったものとなっております。
緊急通報サービス(緊急SOS)を利用すると、送信したメッセージが暗号化された状態でAppleに届き、Appleがそのメッセージを復号化したものが現地の緊急通報サービスセンターや中継局といった緊急通報サービス組織に届きます。
また、緊急通報サービス(緊急SOS)を利用している間は救助支援するため利用者の位置情報がAppleやリレープロバイダに共有されます。
2-2:iPhoneの接続方法
衛星は地球から数百キロメートル以上離れているため接続するためにいくつか条件があります。
★条件★
- 屋外であること。
- 利用者と空までの間に障害物が無いこと。
- iPhoneに互換性のあるソフトウェアが必要なので最新バージョンにアップデートしておくこと。
💡 ※ 障害物があっても繋がるが、繋がりが悪かったりあまりにも障害物が多いと繋がらない事があります。
2-3:サービスの使い方
実際に使ったことがないといざ利用するときにきちんと使えるのか不安な方もいらっしゃいますよね。
しかし確認がしたいからと言って緊急を要していない時に緊急通報サービス(緊急SOS)を使うと迷惑行為になってしまいます。
そこで緊急通報サービス(緊急SOS)を試す方法とロードサービスの使い方についてご説明します。
【緊急通報サービス(緊急SOS)の試し方】
まずは、ここで実際に緊急通報サービス(緊急SOS)を使用することはできませんので、緊急通報サービス(緊急SOS)の試す方法についてご紹介いたします。
★手順★
- 「衛星通信接続」に対して位置情報サービスを有効にしておく。
- 空が見渡せる場所に行く。
- 設定アプリを開き下にスクロールして「緊急SOS」をタップする。
- 「衛星経由の緊急SOS」の下の「デモを試す」をタップする。
- 案内に沿って進んでいき「衛星通信接続をテストする」をタップする。
- モバイル通信を一時オフにする。
- 衛星を追跡してくれるので待つ。
- 衛星の方向に携帯を向ける。
- 画面が切り替わりチャット画面になるので、メッセージを送る。
- 一通り会話をするとデモが終了。
★注意点★
- 木の下や葉が少量でも茂っている場所だと接続ができない。
- 丘や谷、山や高い建物だけでなく雲も接続を遮る可能性がある。
- 衛星に繋がるまでには少し時間がかかる。
- デモでも実際の電波を掴むためモバイル通信をオフにする必要があり、デモ中はモバイル通信の利用ができない。
- 最初に衛星通信に繋がっても衛星は移動をするので全てが完了するまで衛星の方向にiPhoneを動かす必要がある。
- 接続が不安定である。
【ロードサービスの使い方】
次に、ロードサービスの使い方についてご説明します。
ロードサービスはデモがないため緊急通報サービス(緊急SOS)と同じ感覚で試してしまうと本当に救助が来てしまいますので、真剣に困っているとき以外は使わないようにしましょう。
★手順★
- メッセージアプリを開く。
- 新規メッセージボタンをタップする。
- アドレス入力の欄に「Roadside」と入力する。
- iPhoneが電波の届かない場所にいる場合のみ、衛星経由のロードサービスを手配するオプションが表示される。
- 「ロードサービス」をタップする。
- 画面の案内に沿って衛星に接続する。
- 救助を要請する。
★注意点★
- 緊急通報サービス(緊急SOS)と同様で屋外にいる必要があることと、空が見渡せる場所にいること。
- 「911」に電話をかけてもつながらない場合があるが、緊急通報サービス(緊急SOS)またはロードサービス業者にテキストメッセージを送ることができる。
2-4:セキュリティ面
緊急時に利用した時に自分の情報は一体どこまで知られてしまうのか不安な方もいらっしゃるかと思います。
緊急通報サービス(緊急SOS)を利用した時に送信するメッセージはサービス向上や準拠法の遵守を目的に緊急通報サービスセンターや中継局で保管される場合があります。
また、救急隊員が現場に到着するまで位置情報が一時的にAppleとロードサービス業者に共有されますが、こちらは救急隊員が到着した時点で利用者の位置情報データは利用できなくなります。
特に電話番号だったりといった個人情報が知られるわけではないのでセキュリティ面は安心して利用できます。
2-5:利用料金
利用料金ですが、iPhone14シリーズ・iPhone15シリーズ全て発売から2年間は無料で利用することができます。
しかしiPhone14シリーズは2024年9月~10月に、iPhone15シリーズは2025年9月~10月に無料期間が終了される予定だったのですが、iPhone14シリーズのユーザーもiPhone15シリーズのユーザー同様2025年9月~10月まで無料で利用できるようになりました。
💡 しかし、日本ではまだ通信衛星機能は実装されておらず、この無料で利用できるのも海外のみとなっています。
また、2025年9月~10月以降は「AppleOne」というサブスクリプションに月額5ドル(約750円)で含まれるようになると言われています。
3:日本で通信衛星機能の実装予定はない!
iPhoneの通信衛星機能ですが、残念ながらまだ日本では利用できません。
なぜ日本で利用できないのか、また、利用ができる国での実装例をご紹介します。
3-1:日本で未実装の理由
なぜ、日本で通信衛星機能が実装されていないかというと、日本で通信衛星を使うには法整備などが必要なのですがその法整備の準備に時間がかかっているようなのです。
しかし「KDDI」と「スペースX」が業務提携をして、auスマートフォンと衛星が直接通信できるサービスを2024年内を目途に提供開始予定と発表しており、もしかしたらAppleより通信衛星機能が実装されるかもしれません。
3-2:海外での実装例
海外での実装例をご紹介いたします。
実は国ごとに必要なiOSが違うのです。下にまとめましたのでご覧ください。
国 | iOS |
---|---|
米国およびカナダ | iOS16.1以降 |
フランス・ドイツ・アイルランド・英国 | iOS16.2以降 |
オーストラリア・オーストリア・ベルギー・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ニュージーランド・ポルトガル・スペイン・スイス | iOS16.3以降 |
通信衛星機能を利用するには、それぞれの国で上記iOSを搭載したiPhone14・iPhone14Pro・iPhone15・iPhone15Proが必要となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
緊急通報サービス(緊急SOS)やロードサービスを利用するには様々な条件があります。
もちろんこのサービスを利用しないことが1番ですが、この緊急通報サービスの情報を知っているともしものことがあったときに救助を呼ぶことができます。
日本はまだ実装されていませんが、実装される未来もそう遠くはないと思いますので楽しみに待っていましょう。